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徒然なるままに。
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小説の続き。
ちょっといろいろ書きなしてみました。



にこやかに会話をしていると突然ルフィはその場に倒れこんだ。
コビーは驚いて駆け寄るとただの空腹が原因のようだった。
「・・・なんなんだこの人は・・」
あわてて店の輩に見つからないように裏にある物置小屋へ連れて行った。
目を覚ますと、小屋にあるだけの食べ物を与えると無我夢中になって食べ始めた。
ルフィは満面の笑顔でお礼を言った。
「あーー助かった!ありがとな。お前、名前は?」
「こ、コビーといいます。いろいろあってここで働かせてもらってます・・」
へらっと愛想笑いを返した。

コビーとルフィはすぐに打ち解けて友達になった。
エースは城にすんでいて、白ひげという城の主の元で働いていることを知ったルフィはすぐにでも
会いに行こうとした。
しかし助けてもらったコビーに対して何かお礼がしたくてもう少しここで一緒にいようと決めた。
不遇のコビーを親身になって助けたいと思ったのだ。

一方、コビーは疑問に感じていた。
あの大権力を誇る白ひげの幹部の弟がこんなところで何故。
ルフィはまるで田舎育ちの野生児のようである。
気品さは全くといっていいほどなく、食事の際は人間とは思えないほどの荒々しさである。
外見はぼさぼさの黒髪に頬の傷、動くのに邪魔にならないようにたくしあげた着物の裾。
精悍な横顔は少年というよりも青年になりつつあることを表していた。

細長い手足が実際よりも身長があるようにみせていて、
無駄な筋肉がなくてすっきりとした体の線が着物の上からもはっきりとわかる。

しかし時折みせるきらきらと輝いた笑顔はまだ少年の幼さを残していた。

毎日コビーは店で働いたあと、こっそりとルフィの元へ通った。
店の残飯を運ぶためだ。大量の残飯をいつも気持ちよく綺麗に平らげた。
コビーにとってルフィの存在は大きく、心の底から笑うことができた。 


「ルフィさんは・・他の人にはないオーラというか・・気迫があります」
「そうか?」
「ぼくもルフィさんみたいだったらこんなところから抜け出して・・・」
「コビーはここから逃げたいのか?」
真顔で聞いてくる相手につい素直に返事をしてしまった。
「え、・・はい!」

「じゃ、逃げよう!!!」

「!?」

決してばれてはいけない。なにせ店の主人であるアルビダは白ひげに傅く有力商人の一人である。
白ひげの目を盗んではなんでも言うがままにしてきた。
その恐ろしさはコビー自身体験してきた。

死ぬまでここで働かされる覚悟で今日まできたが、ルフィと出会ってそんなことで人生を諦めるなんてもったいないと思うようになった。
「じゃあ、行くか」
こくり、と真剣な表情で頷いた。
ルフィとならなんでも不可能でなくなると思ってしまうのが不思議である。


深夜の花街は意外と明るい。
丑三つ時を迎えたといっても人並みは減るが酔っ払った人々が夜道をふらふら歩く。

一目を避けながら二人の影が走る。
誰かに見つけられれば大変である。コビーは無我夢中でルフィの後を追った。
ルフィはコビーの気も知らず楽しそうに闇を走り続ける。
家から家へとすり抜けていく。

月明かりを頼りに逃げに逃げた。
そしてルフィがようやく立ち止った。
その後ろで肩で息をする。

「ここは・・・?」
「ん~?適当に走ってきたけど たぶん、まだ城下町の中だろ」

あたりを見回すと見知った街並みはないが、花街のような店がたくさん立ち並んでいた。


すると後ろから声をかけられた。
大きな男は身に覚えのある格好をしていた。

小袖の上に純白の羽織。
背には大きく白ひげ一家の家紋が刺繍されている。


「ん・・・お前、見ない顔だな?」



続く!

次でいろいろ明らかになる・・と思う・・

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