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ルフィが息をしているのを確認してコビーはその場にへたりこんだ。
上半身には幾重にも包帯が巻かれていて見るからに重傷を負っていることが分かる。
「ルフィさん・・・一体なんで・・・?」
血の気の引いた青い唇。
堅く閉じた目。
「昨夜何があったのかおれにもわからないが・・・道にぶっ倒れているコイツを見つけて助けてやったんだ」
「あ・・・ありがとうございます!!!」涙目になってローを見上げた。
ローはその視線を振り払うように顔をそむけた。
「どうせコイツは死ぬだろうよ・・・奇跡が起こらない限りな」
「え」
「・・・・死に損ないだ。血が足りなさすぎる。」
ローは特に興味もなさそうに言い放った。
仕事の帰り、いつもの道を進むと其処ら一体に生臭い血のにおいが充満していた。
嫌な予感がしてみれば人が一人倒れている。
その少年には意識はなかったが、生気がまだあった。
気絶する寸前まで地面を這った跡。
くいしばったままの歯。
苦しそうにあえぐ微かな呼吸。
ローはルフィを担いで治療を施したのだった。
助かる見込みはほぼゼロに近かったがどうしてか、そのまま捨てておくことはできなかったのだ。
コビーはどうしていいかわからずにただ涙をこぼした。
「ぼくの・・ぼくのせいだ・・・」
アルビダのところから逃げ出そうとしなければ・・こんな目にルフィさんを合わせることはなかったのに。
取り戻しのつかないことになってしまった。
「ルフィさん・・・・」
コビーはルフィのそばによって懺悔を繰り返した。
「ごめんなさい・・・ルフィさん・・・!!!!」
(ごめんな・・・ルフィ)
どこかで声が重なった気がした。遠くから、声が聞こえる。
違う・・・おれは謝られたいわけじゃない。
エース・・・・・・!!!!!!!!!
どうしていなくなったんだ・・・!!!
ルフィの目からつう、と涙が一筋こぼれた。
そしてゆっくりと瞼を開けた。
そこには涙と鼻水でぐちゃぐちゃになったコビーの顔があった。
「る・・ルフィさん・・!?」
視点が定まらずに周りの景色が揺れている。
「・・・起きたのか」
ローが驚いたように近寄る。
「おい、お前、おれの声が聞こえるか」
見知らぬ男が呼びかける。
喉が渇いて上手くしゃべれない。
「きこ・・える」
意識がだんだんと戻ってくると同時に自分の体から激しい痛みを感じた。今まで感じたことがないような痛みだ。
「い・・・・てェ・・・・」
あまりの痛さに呻く。呼吸一つが肺を圧迫し骨を軋ませる。
「馬鹿、動くな。」
信じられないような顔をしながらもルフィに注意を促す。
「ルフィさん・・!!!よかった・・・・!!!」
コビーが掌をぎゅっと握りしめた。
「・・・・・・・コビー・・・」
掌のぬくもりが伝わってくる。おれは生きてる。
一体・・何がどうなってしまったんだ・・・?
記憶の糸をたどろうとする。
目の奥でいくつかの場面がフラッシュバックする。
生まれ育った村・・
森の中の小屋・・
一面に染まった赤、白ひげの家紋・・・
それから・・・・・・エース・・・・・
声は思い出せるが顔が思い出せない・・・
腹の傷はひどく痛かったがそれと同じくらい頭が痛んだ。
おれは何をしようとしてたんだ・・・?
もっとも大事なことが記憶から欠落していることに気がついた。
つづく!
まさかの記憶喪失wwwwww汗
拍手ありがとです!!!