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昨日の小説の続き~
***
黒髪の左目の下に傷がある少年、名はルフィ。歳は17。
部下を使って城の周りでなく、広範囲に渡ってルフィを探させた。
エース自身毎日のように町を見回り、人々に聞き込みを続けていた。
だが探し続けても手掛かりひとつでてこない。
ルフィは生きている・・・そう信じて苦難にも耐えてきた。
二人でまた幸せに暮らしたい。
体は自由になっても、まるで心は縛られて窮屈だった。
もう・・ルフィはもっと遠くにいってしまったのだろうか・・・。
何をやっても上の空、疲労がたまっていった。
そんなエースの元に一人の来客がやってきた。
「よお、エース。暗いなァ」
襖の向こうに赤髪の男、シャンクスが立っていた。
シャンクスは白ひげの手を組んでいる近隣の大名の一人である。
屈指の有力者として赤髪の名は知れ渡っている。
事あるごとに白ひげの城へやってきては交友関係を築いている。
エースは白ひげの側近なので、自然と顔見知りになった。
シャンクスはエースの部屋を自由に出入りできる希少な存在である。
「うまい酒持ってきたんだ。お前にやるよ」
「・・・・・オヤジにじゃなくてか?」
勘繰るような目つきでシャンクスをみる。
この男からの贈り物ほど怪しいものはない。
眉間の皺をさらに深くして睨みつける。ただでさえ機嫌が悪いのだ。
面倒事は勘弁してほしい。
「そんな顔するなよ、ただ世間話をしにきただけだ」
だっはっはと大口開けて笑う。
その様子に少なからずいらだちを覚えながらもエースは銚子の酒を飲みほした。
「いい飲みっぷりだな!」
すかさずエースの銚子に酒をなみなみに注ぐ。
シャンクスが心配して元気付けに来たことはエースはなんとなく感じた。
シャンクスは親なしのエースにとって親のような存在であり、心を許していた。
酒を浴びるほど飲みたいときはこの男に付き合ってもらうのが一番楽しい。
部下には世話は焼かせられないからである。
シャンクスと飲む酒は美味い。
だんだんと酔いが回ってきたのか普段よりも饒舌になる。
「なァ、この前おもしろいガキを見つけたんだ」
シャンクスがエースに向かってそう言った。
「へェ・・」
エースは言葉にはださないがシャンクスを一人の男として尊敬している。
他の者にはない強い信念と気迫を纏っている。
家来から圧倒的な信頼があり、ひとつに纏め上げる技量がシャンクスにあった。
そんな男から認められた人間に自然と興味が湧く。
シャンクスはその様子に満足したように、にかっと笑った。
「そいつの名前がよ・・・ルフィっつーんだ」
「え」
大分酔いが回ってきていたエースだったが一気に醒める。
ルフィ。
勝手に口から漏れるその名前。
「なかなかいい面構えでよ、拾っちまった」
「シャンクス・・・そいつに会わしてくれねェか?」
ただ名前が一緒だというだけで本人だという確証はない。
しかしエースはどうしてもこの機会を逃したくなかった。
只ならぬ剣幕のエースにシャンクスも驚きながらも了承した。
「だけど、おれんだからな、盗るなよ。アイツは逸材だ」
稀に見せる真剣な表情のシャンクスにエースはますますルフィと名乗る少年と会いたくなった。
本物に違いない。
エースは興奮を抑えきれずにその夜眠ることができなかった。
5年間、忘れたことはなかった。
やっと。
やっと会える。
続く~
たぶん誤字あるかもだけど・・上げときます。