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「兄弟・・?」
いきなりの質問にルフィはしばし戸惑った。
しかしエースと同じ白ひげならば自分のことを知っているかもしれない。
うまくいけばエースに会わしてくれるかもしれない。
「エースっていう兄ちゃんがいる。白ひげのとこで働いてる。お前知ってるだろ?」
「あァ・・・知ってるさ、」
表情が暗くてよくわからないが、あまり感情の籠っていない声が返ってきた。
ティーチとエースは上司部下の関係であった。
古株のティーチは自由気ままの暮らしを好み、堅い位には就こうとしなかった。
しかし、若くして才能を持つエースが白ひげに可愛がられるのはつまらなく思っていた。
(あのエースの弟か・・)
相手は子供、真夜中で人っ子一人見当たらない。
自分が何をしようと止められるものは、誰もいない。
「なァ・・おれァ お前を探してたんだ。兄に会いてェならついてこい」
ティーチはルフィに気付かれないように口角を釣り上げて笑った。
***
「おい、どこまでいくんだ?」
妖しげな森の中にずんずん進んでいく大きな背中。
暗闇は視覚を覆って右も左もわからない。
冷たく澄んだ空気が肌に直接触れている。
「・・・・お前、なんでここへ来た?」
「え、なんでって・・エースに会いに来た」
「それをエースは望んでいないとしてもか?」
「え?」
立ち止り、ルフィの正面に立つ。
「エースは今や白ひげの幹部であり隊長格だ。昔のことなんて忘れたいと思っている」
「なんでそんなこと言えるんだよ」
ムッとした声色にティーチは軽く笑った。
「エースのことはよく知ってる・・。昔農村で一人暮らしていていつかはここを離れて街にでたいとおもっていた。
一人兄弟がいたが何も言わずに村をでた。自分がいたという記憶を消してほしかったんだ。
だからよォ・・エースは地位を築いた後おれに命令した。
あの村に水攻めをしろ・・とな。白ひげの隊長が農民生まれでもって親なしじゃ格好つかねェからな」
「・・・」
「村人は飢餓に苦しみ、ある者は村から出ていき、ある者は死んでいった・・・。
案の定村は滅びた。」
「・・・・そんなのちが「本当にそう言えるか?」
「お前は生きてちゃいけねェんだよ・・・・・!」
ルフィの足は竦んだ。
嘘だ、違う、と抗議の声を上げようとしたけれど上手く喉から出なかった。
その瞬間ぐらりと視界が大きく歪んだ。
目にもとまらぬ速さで何かが自分を斬り裂き、重力に従って倒れていく。
激しい痛みもその時だけ、あとはドクドクと脈の音が脳髄に響いた。
体温が急激に低下していくのがわかった。寒くて手足の感覚がなくなっていく。
ルフィは何がなんだかわからないうちに地面に叩きつけられた。
耳には高らかに響き渡る男の笑い声・・・・
あとで直すかも・・・まだつづくよ^^